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執筆者の写真aikidoiriedojo

身体の記憶 その2

4年に1度 国際合気道大会が行われています。昨年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、延期となってしまいましたが、2008年に行われた第10回国際合気道大会は、合気道開祖植芝盛平先生 生誕の地である和歌山県田辺市で執り行われました。 1週間の講習会は田辺市の体育館で、土曜日の演武大会は熊野本宮大社旧社地 大斎原で行われました。当時私はまだ東京に住んでおり、前日の金曜日に月窓寺道場での少年部指導があったため、当日の朝に羽田空港から白浜空港へ行き、白浜空港には奥州道場の菅原先生が車で迎えにきてくれまして熊野へと向かいました。 演武会は、当時まだ本部道場長補佐であった植芝充央先生(現在は合気道本部道場道場長)の演武に始まり、関西の各先生方の演武、ヨーロッパ各代表による演武、多田先生の演武、合気道道主 植芝守央先生の演武という流れでした。


まだ明るい時間から演武会は始まり、夕方になりだんだんと日が落ちていき、多田先生の演武の前には周りは真っ暗、舞台上のライトと松明の明かりの中 演武の受けをとらせていただきました。暗くなるにつけて、それまではざわざわと人の声や音がある中での演武会も、多田先生が舞台にあがる直前には、静かなピンと張りつめた空気になっていました。松明の音やに香りがはっきりと感じられ、演武会前に進行係の方から伝えられた注意事項、正面に礼の時は合掌する・演武後の礼も正面に先にする(普段はお互いに礼を先にする)、等を確認しつつ、多田先生が 神様の前だからゆっくりやろう、とにっこり。



舞台の上に集まるみんなの視線とその場の静けさ、大斎原という場所のもつパワー、それらの緊張感が相まって、五感が研ぎ澄まされていく感覚です。いつもよりゆっくり動いている多田先生がさらにゆっくり動いているように感じられ、自分の身体もゆっくり動くというかゆっくりしか動けていない感覚でした。その時の感覚が研ぎ澄まされていく感じ、背筋がピンと伸びる感じを思い出して、日々の稽古に緊張感を持ち続けることができます。こうして与えられた感覚を大事にしています。

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