ありがたいことによく先生の受けをとらせて頂きました。今でもごくたまにですが受けをとらせて頂きます。普段の稽古だけでなく、演武会や海外の講習会などでもたくさん受けをとらせて頂きました。
その時その時、手をとらせて頂いた時の感じはもちろんとても勉強になるのですが、いま自分で道場にて指導をしていると、ふとした時に、先生に技をかけて頂いた時の感じがよみがえってきたりします。あっ、もっとこんな感じだったな、と。
そんな身体の記憶を探りながら稽古・指導をしています。
多田先生は連想行(イメージトレーニング)をして、いつも開祖と稽古をしているのと同じなんだとおっしゃいます。多田先生はふと、開祖はもっとこういう風にされていたと、技のやり方・かけ方を変えることがあります。常に向上心を持って稽古に臨み、進化されているのではないかと思います。自分もそうありたいと思っています。
また、学生時代よく本部道場の稽古にも参加させて頂いていたので、多田先生だけでなく、道主をはじめ本部道場の先生方の受けも良くとらせていただきました。おかげで今でもたまに本部道場の稽古にお邪魔した際や、関西圏での講習会に参加させて頂いた際に、受けに呼んで頂いたりします。それぞれの先生の技の違いを身体で感じることができるのは、とても勉強になります。
ちなみに良く質問されますが、先生方の受けをとるときは、特に何も考えていません。ただ集中して手首を取る、正面打ちをする、だけです。大事なのは、受けの動きを決めつけてしまわないことだと思います。受けである自分が型にはまってしまっていたら、その中でしか感じることができません。それぞれの先生の動きを感じながら、ただ丁寧に受け身をとってます。
ポイントは、何をやるかは分かっている、ということ。分かっているからこそ、先に動いちゃったり、あるいは動かず踏ん張ってしまったりします。そのちょうど真ん中に、ちょうどいいところがあるんじゃないかと思っています。
また稽古の際は、先生方が説明をしながら技をされていると、場合によってはそっちに意識がいってしまったりして受けの動きがぎこちなくなってしまうので、そうならないようにという意識を持っています。
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